【改善前の状況】
 生産及び暖房等でボイラーを使用している場合は、適正燃焼を行っているか確認することで省エネに繋がります。一般的なボイラーでは、燃焼後の酸素濃度が4〜6%程度が理想と言われていますが、それ以上になると余分な燃料を使用していることになります。所有しているボイラーの燃焼面積が10立方メートルm以上または燃料使用量が50L/時間以上のものには「ばい煙測定義務」が生じているため、定期的に測定しています。 
 その報告書の多くには排ガスの酸素濃度が記載されているので、まずは確認し、酸素濃度が高い場合には、調整することをお奨めします。(ただし、空気比は1.0以上に保つ必要性があります)
 また、スチームラインからの蒸気漏れがあるケースも多々見られるので、対策を施すことで大幅にコスト削減が見込めます。
 
【改善提案】
 @ ボイラー燃焼時の空気比を適正値に調整
  ・年間燃料使用量(灯油):56.56kl(実測値)
  ・排ガス温度:240℃(実測値)
  ・排ガス酸素濃度:7.0%(空気比1.50)
   (空気比:理論空気量と実際に使用されている空気量の比のこと=21/(21−排ガス中の酸素濃度))
  ・改善後の排ガス酸素濃度:5.4%(空気比:1.35)
  ・灯油単価:90円/l
 A スチームライン蒸気漏れ等の修理
  ・年間燃料使用量(灯油):56.56kl(実測値)
  ・蒸気漏れ及びライン等放熱によるロス:10%(多種要因のため推定値)
 
【省エネ効果】
 @ ボイラー燃焼時の空気比を適正値に調整
  ・削減燃料使用量
  ・空気比1.50→1.35:燃料低減率1.2%
   56.56kl/年×1.2%≒679l/年
  ・低減金額
   679l/年×90円/l=61,110円/年
 A スチームライン蒸気漏れ等の修理
  ・削減燃料使用量
   56.56kl/年×10%≒5.66kl/年
  ・低減金額
   5.66kl/年×90円/l=509,400円/年
   合計低減金額@+A≒570,000円/年
   合計CO削減量:14.1t・CO/年