■千波湖学習会7,8,9月報告■

当協会は、水戸市との協働事業として、体験しながら環境を考える「千波湖環境学習会」を、月に1回程度のペースで開催しており、今年度はすでに6回実施しました。
7月28日は、「周辺森林の昆虫と地球温暖化について勉強しよう」、8月18日は、「千波湖内の水生生物と夏の水質を調べよう」、9月8日は、「周辺湧水水路の水生昆虫を調べよう」をテーマに行いました。
7月28日は晴天に恵まれ、茨城生物の会会長の小菅次男先生と緑のインタープリターの荻沼正和先生を講師に迎え、少年の森周辺に生息する昆虫を観察しました。
地球温暖化のしくみや人間の生活や生物への影響についての講義を聴いた後、少年の森周辺森林において昆虫を採集し、その種類や生態等について講師から説明がありました。 ウスバキトンボの北上の時期が早まっていることや長崎に生息するナガサキアゲハが千波湖周辺でも見られるようになったのは、地球温暖化の影響と考えられるとのことでした。 他にもウチワヤンマやハグロトンボ、コクワガタ、ウシカメムシなど多くの種類の昆虫を観察することができ、子供達は自分で採集した昆虫の説明を熱心に聞いていました。


【地球温暖化についての講義】

【少年の森で昆虫採集】

【アオコの影響についての講義】

【千波湖に入って生物調査】
 8月18日は暑さが厳しい中118名の参加があり、千波湖に入って魚や水生生物を採取して調べました。
 アオコが発生するしくみや、アオコの影響についての講義を聴いた後、千波湖、桜川、ハナミズキ広場を流れる湧水の水質検査を実施しました。
 夏の千波湖は、水温が15℃以上になっているため、水中の植物プランクトンが大量に増殖し、硝酸態窒素がほとんどない状態になっていること、アオコの発生でCODの数値が高いことを確認しました。
 また、水質改善のために、桜川からの導水やジェットストリーマー、噴水の設置など、様々な対策の説明を受けました。その中には、汚れた水を流さない、水鳥にエサをあげないなど身近で出来る対策があることも学びました。
その後、当協会が提供した魚取り網と飼育容器を持って、千波湖に入り、親水デッキからボート小屋辺りまでの魚や水生生物を採捕して観察し、それらの生態等について講師から説明がありました。
 9月8日は小雨に見舞われましたが、茨城県環境アドバイザーの廣瀬誠先生を講師に迎え、ハナミズキ広場の湧水水路に入り、生息する生き物と、その周辺の昆虫を観察しました。
 千波湖に流入する湧水はアオコの栄養分となる窒素を多く含むため、水生植物に窒素を吸収させる目的でビオトープが造られたことを学習した後、ハナミズキ広場の湧水水路とビオトープに生息する水生昆虫を採集し、その種類等を調査しました。
 湧水水路では、網を使って魚や石の下に生息する水生生物の採り方や、捕獲した生物から水質階級を調査出来ることを学習しました。カワニナやオニヤンマのヤゴなどが棲息しており、環境省水・大気環境局で示している生物指標による水質階級では4段階中2番目の「U ややきれいな水」と評価されました。  ビオトープでは一昨年の造成前はヨシノボリとテナガエビだけが確認されましたが、今回はウキゴリやメダカ、ドジョウなどの小魚類が多く確認でき、千波湖の水質改善に寄与していることがわかりました。
 また、広場周辺の昆虫も採集し、その生態等について学習しました。インディアンの捕獲方法を真似た虫の取り方や、昆虫類を実際に触って見分け方などを学びました。
 
 学習会後半の予定は、10月6日に、「秋の水質調べと草花の観察をしてみよう」、11月17日は、「桜川に遡上するサケの産卵を観察しよう」をテーマに実施する予定です。  参加者数は、前半の6回で延べ464名の参加がありました。「学校のお友達に聞いてきました」などの声も聞かれ、この学習会を通して、環境保全活動の輪が広がってきていることを感じ、嬉しく思います。
 

【協力して昆虫採集】

【ビオトープで生物調査】

【採取した水生生物を観察】

【協賛企業の紹介】
 最後に、協賛企業のいばらく乳業(株)、(株)あいおいNDIサポートBOXからジュースを、タマヤ計測システム(株)からエコバッグ、(株)ノーブルホーム、ぺんてる(株)から文房具等を、それぞれご提供をいただいたこと、また、千波湖で安全サポートしてくださいましたジャーダイビングの方に、併せて感謝申し上げます。当協会では、今後もご賛同、ご協力いただける会員事業所を募集しております。  公益推進グループ 佐藤までお問い合わせ下さい。

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